病気の経験11
2025年3月9日
皆様こんにちは
皆様は視野検査という検査をした事があるでしょうか。
視野検査とは、文字通り視野と網膜の感度がどれくらいなのかを調べる検査なのですが、これが難しいんですよね。
やり方は片目ずつ行い、専用の機械の中の前方にライトがあり、そこを見ながら検査をするのですが、検査が始まると色々な場所に明るさや大きさが様々な光が1個ずつ出てきて、見えたらボタンを押すというやり方です。
ですが、光が見えても前方のライトから目を逸らしてはいけません。
これが難しくて1回約10分、両目で合計約20分は検査が続くので、小さくて暗い光が見えにくかったり、逆に光ってないのに光ってるように見えてきたりと、感覚がおかしくなってきて目も疲れてくるんですよね。
コツとしては光が見えたら瞬きというのを繰り返すと楽になりました。
やる機会はなかなか無いと思いますけどね。
半年に1回の間隔で、今まで3、4回検査しましたが全く問題は無かったのでそこは良かったです。
さて、今回は移植後について書いていきます。
それでは始めます。

移植は終わり、私は個室へと移されました。
免疫力がまだ無く、大部屋に移ると他の人から簡単に病原体をもらってしまうので、そのまま戻る事は出来ませんでした。
個室へ移ってから、鳩尾の痛みと吐き気が出てCTを撮りましたが原因不明、内視鏡も受けましたが異常なし、という少し心配な症状がありましたが、時間が経つにつれて無くなっていったので先生達もそこまで気にする事はありませんでした。
そこから数日後に脚のムズムズが再発し、また眠ることが出来なくなっていましたが、今回はルネスタという睡眠改善薬を使用し、良くなっていきました。

その翌日に、私はサイトメガロウイルス(CMV)という感染症にかかりました。
CMVとは非常に良く見られるヘルペスウイルスというものの一種で、成人の60~90%が過去にかかっているという結果があるそうです。
通常は感染しても無症状で治療は必要無いみたいですが、胎児の時に親から感染した乳児やエイズ、移植等で免疫力が低下している人の場合は症状が出てきます。
症状は多岐にわたるようで、軽症状だと倦怠感や発熱、重症だと網膜炎で最悪失明、脳炎や肺炎、肝炎に繋がったり、腸や食道に潰瘍ができ、死に至る場合もあるみたいです。
ガンシクロビル(GCV)という抗ウイルス薬を使い、CMVが陰性化するまで約3週間程かかりましたが、症状としては発熱や口内痛くらいで重いものは無く、その後の検査でも何かに繋がったりということはありませんでした。
他のウイルスは陰性だったので、CMVは急性GVHD関連の症状だという結論がされました。
そしてCMVが落ち着いた頃には血液の数値も上がってきていたので、ようやく大部屋へ戻ることが出来ました。

大部屋へ戻ってからマルクがあり、結果は異常なしで完全キメラ、つまり100%ドナーさんの血液細胞に置き換わったという事でした。
私の血液型は、B型のRH+からAB型のRH-に変わりました。
凄く珍しい血液型になってしまったので、仮に輸血が必要になってしまうと大変ですね。
そして数日後にPET検査もあり、こっちは回盲部という小腸が大腸に繋がっていく部分に少し異常がありましたが、そこまで気にしなければいけないようなものではありませんでした。
その後の1ヶ月間は入院生活の中で1番平穏に過ごせていたと思います。
そして退院の話が出たのでそれに向けての準備をしていました。
遂に退院の日、最後のPET検査で前回あった異常もいつの間にか消えていて、検査結果は問題なしでした。
その日の体調は何も悪くありませんでしたが、何故かPET検査中に吐いてしまったのは今でもよく分かりません。
仰向けの状態で吐いてしまったので少し危なかったですね。
そして今までずっとお世話になってきたPICCもここで抜きました。
PICCは麻酔無しで、普通に引っ張るだけで抜くことができます。
無事に許可が出て、看護師さんや先生、入院中に仲良くしてくれていた人達皆に沢山祝われて、退院しました。
約9ヶ月間の入院生活でした。

今回で入院編は終わりになります。
いかがでしたでしょうか、少し脚色を加えたりしていますが、ほぼ事実に基づいて書いています。
分かりにくい所もあったと思います。
それでもこういう事があるんだなとふんわりとでも知ってもらえたら嬉しいです。
次回は血液型についてです。
それでは、次回もお付き合い下さいね。