病気の経験4

2025年1月5日 0 投稿者: support

皆様、新年明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。

新年初めの今回は抗がん剤治療についてです。
ここまでかなり細かく書いてきたのですが、実は治療の事はあまり覚えていないんですよね。
ゆかり先生によると、当時中学生の私にはあまりに壮絶な体験すぎて、防衛本能で脳が思い出させないようにしているのだと言われました。
ただ、記憶はほとんど無くても身体は覚えていて、前にも書いたのですが当時の事を思い出そうとしたり、似たような経験をすると体調や精神的にも悪い影響が出ます。
トラウマというのは本当に根強いですね。勘弁して欲しいものです。

今までの様に細かくは書けませんが、なるべく思い出して書いていきたいと思います。
それでは始めていきます。

私の抗がん剤治療は3クールに分けられました。
1、2クール目は寛解導入療法、3クール目は強化療法というものです。
1、2クール目の寛解導入療法は抗がん剤を使い、寛解(骨髄中の白血病細胞が全白血球数の5%未満)を目指すという治療で、3クール目の強化療法は寛解状態を維持する為に、また別の抗がん剤を使って、更に白血病細胞を減らすという治療だそうです。
そしてこの3クールを終えてから移植へ移るという流れでした。

抗がん剤治療が始まる前にPICCというものを入れる手術がありました。
PICCは長い管を腕から心臓に近い静脈まで挿入するカテーテルです。
このPICCは比較的簡単に入れることが出来て、通常の点滴と違い長期間の治療でもカテーテルの入れ替えが不要だったり、強い薬を使っても血管へのダメージが少なかったりとかなり安全性の高いカテーテルの様です。
手術は局所麻酔で行うという事で、そこまで大きな手術では無く、カテーテルが入るところをモニターで見ることが出来ました。
最初は研修医が施術する事になりました。
しかし時間がかかっても入れる事が出来ず、麻酔されているとはいえ、何回も血管の中を動かされるのはそこそこ痛かったですね。
その後は担当の医師に変わり、入れてもらって手術は終わりました。

治療期間は私の場合、1クール目は約1ヶ月で2、3クール目は約2ヶ月で大体5ヶ月程かかりました。

最初の1クール目、抗がん剤を投与され始めてから半月後のCTの時点でかなり病変が少なくなり、更にその半月後のPET検査、マルク(骨髄穿刺)でほぼ消失したのが確認されて合併症なども無く、経過はかなり順調でした。
マルクというのは骨髄に針を刺して骨髄液を採取する検査です。
私の場合は台の上で横になり、膝を曲げて腸骨で採取されていました。
まず麻酔クリームなどで表面麻酔、更に注射で局所麻酔、そして針を刺して採取します。
そして普通の採血針より2倍くらい太く長い針を体重をかけて入れます。
麻酔をしているので入れる時はほぼ痛みは無いのですが、採取する時がとても痛くて当時の私はよく声を出さなかったなと思いましたね。
入れる時の音もグググ、グププという生々しい音が聴こえて来るので、それも怖かったですね。
終わった後は必ず安静で、麻酔が切れたら痛みも出てくるのも辛かったですね。
入院中、この検査は何回もありました。
本当に二度と受けたくない検査です。

1クール目が終わったところで一旦PICCを抜く事になりました。
これには理由がありました。

2クール目はPICCを抜いたので、最初の内は普通の点滴で投与されていました。
ただ、これだと数日に1回入れ直さなければいけないという状態でしたが、先生からある話をされました。
それはCVを入れるという事でした。
これがPICCを抜いた理由です。
PICCも中心静脈カテーテルですが、PICCは腕からでCVは首や鎖骨、太ももの付け根から入れる中心静脈カテーテルです。
CVのメリットは、PICCとは違い複数の薬を同時に投与出来たり、PICCよりも大量の薬を投与出来るので便利なカテーテルみたいです。
ですがデメリットもあり、PICCより安全性が低いので術後に合併症が起きやすく、術後が良くても管理をしっかりしないと感染症のリスクも高いという点です。

正直この話を聞いた時に嫌な予感が凄くしました。
私は直感が割と当たるので凄く不安でした。
しかしそのまま話が進み、手術が決まりました。

今回はここまでにしようと思います。

抗がん剤治療についてという事でしたが、本当にざっくりとした説明になってしまいました。
薬の詳細や治療内容を知りたかった方は申し訳ありません。
次回も治療についてはざっくりとした説明になりますが、治療で私に起きた副作用などはしっかりと書いていきたいと思います。

次回はCV挿入手術と抗がん剤の副作用についてです。
それではまた来週もお付き合いください。